家業を引き継ぎながら新しいビジネスモデルを生み出すことは、次世代の経営者たちにとって最大の挑戦です。そんな挑戦を後押しする場として注目されているのが「アトツギ甲子園」。このイベントは、事業承継を控える若い経営者が、自社の強みを再発見し、それを活かした新たな価値創造に取り組む絶好の機会です。この記事では、アトツギ甲子園の概要や意義、そして私たちブランドストーリー研究所がどのようにサポートできるかを詳しくご紹介します。
1, アトツギ甲子園とは?
中小企業庁が主催する「アトツギ甲子園」は、日本の次世代経営者、いわゆる“アトツギ”たちが、既存の経営資源を活かした新規事業アイデアを競い合うピッチイベントで、2025年で5回目を迎えます。
自らの家業をリブランディングし、未来のビジネスモデルを提案するためのコンペティションであり、中小企業や老舗企業を引き継ぐ若い世代が、自分たちのアイデアや情熱を発揮できる場として注目を集めています。
アトツギ甲子園は単なる競争ではなく、家業の新しい可能性を見つけ、地域経済や社会に貢献することを目的としたイベントであり、日本の後継者問題に風穴を開ける可能性があると、大きな期待が寄せられています。
2, アトツギ世代が直面する課題とイベントの意義
アトツギ世代には、伝統を守ると同時に変革を求められるというジレンマがあります。また、「先代と比較される」「社内外の信頼を獲得できない」などの問題に直面する人も少なくありません。事業承継に伴う社内外の信頼の確立、持続可能なビジネスモデルの構築など多くの課題に直面しているのが現状です。
アトツギ甲子園は、これらの課題を解決する糸口を提供します。イベントを通じて、他のアトツギたちと交流し、新しい視点やヒントを得られることが大きなメリットです。
3, アトツギ甲子園へのエントリー資格とスケジュール
エントリー資格(第5回大会について)
39歳以下の中小企業・小規模事業者の後継予定者であること。(代表権を持つ前の後継予定者に限る、親族外承継も含む )
家業とは別法人の代表を務める場合も含む(ただし、家業を今後承継予定か、家業の経営資源を活用している必要がある)
※ 詳しいスケジュールについては、公式ページをご確認ください。
スケジュールについて (第5回大会について)
今大会は、予選大会出場者の発表まで終了しています。
今後の予定は、以下となります。
※ 詳しいスケジュールについては、公式ページをご確認ください。
⚫︎ 地方予選大会 全国6ブロック開催
開催期間:2025年1月17日(金)~2月7日(金)
⚫︎ 第5回「アトツギ甲子園」決勝大会
開催日:2025年2月20日(木)13:00~18:30
4, アトツギ甲子園の審査基準
アトツギ甲子園では、後継者たちの新規事業アイデアが以下の観点から総合的に評価されます。それぞれの基準がどのような意図を持ち、具体的に何が求められているのかを詳しく解説します。
1, 新規性
製品やサービスに新規性、独自性、イノベーションの可能性があるか。
新規性は、提案された製品やサービスに他にはない独自性や斬新なアイデアが含まれているか、またそれが市場で新たな価値を生み出せるかを評価するポイントです。単なる模倣ではなく、現代の課題やニーズを的確に捉えた革新的な取り組みが求められます。
2, 持続可能性
中長期的な収益や成長が期待でき、持続可能な事業か。
持続可能性では、短期的な成功ではなく、事業が中長期的に安定した収益を生み出し、成長し続けられる可能性があるかが問われます。また、環境や社会に配慮し、持続可能な発展に貢献できる事業であることも重要視されます。
3, 社会性
社会課題を解決する、もしくは社会的意義がある事業か。
社会性とは、提案する事業が社会的課題を解決する力を持っているか、または地域や社会にポジティブな影響を与えるかを評価する観点です。単なる利益追求ではなく、社会的意義を持つビジネスが求められます。
4, 承継予定の会社の経営資源活用
承継予定の会社の有形無形の経営資源を有効に活用できている事業か。
後継者が承継予定の会社の強みである有形無形の経営資源をどれだけ活用できているかが重視されます。有形資源とは、設備や技術、製品などの目に見えるものを指し、無形資源とは、ブランド力、顧客ネットワーク、長年培ったノウハウや信頼などを指します。
5, 熱量・ストーリー
後継者として当該事業を遂行する背景や情熱を持ち合わせているか。
最後に評価されるのは、後継者自身の情熱や家業への想いです。なぜそのビジネスに挑戦するのか、どのような想いで家業を継ぎ、未来に向けてどのようなビジョンを描いているのか、その背景や物語が重要なポイントとなります。審査員の心を動かすような熱意や説得力のあるプレゼンテーションが求められます。
5, アトツギ甲子園に挑戦することのメリット
後継者育成の意義
アトツギ甲子園は、次世代の経営者が自らのスキルを磨き、家業への理解を深める機会を提供します。これにより、後継者としての自覚が芽生え、家業の将来像を描く力が養われます。
事業承継における支援
参加者は、事業承継に必要な知識やスキルを学ぶだけでなく、他のアトツギたちとのネットワークを構築することができます。これにより、家業を円滑に引き継ぐための貴重な経験が得られます。
地域経済への貢献
アトツギ甲子園は、家業を通じて地域経済の活性化を促進します。新しいビジネスモデルや製品が地域社会に与える影響は大きく、地域全体の発展に寄与します。
6, アトツギ甲子園のファイナリストはどうなる?
アトツギ甲子園でファイナリストになると、以下のようなメリットが得られます。
- 資金や支援の獲得
決勝大会出場者(ファイナリスト)および準ファイナリストは、新規事業アイデアの事業化に向け販路開拓等に取り組む際に、上限200万円・補助率2/3を補助する持続化補助金(後継者支援枠)に申請が可能。(小規模事業者に限る)。 - メディア露出
優勝者として取り上げられることで、家業の認知度が向上します。 - 専門家からのアドバイス
ビジネスの専門家や先輩経営者から直接アドバイスを受けられる機会が与えられます。
7, アトツギ甲子園は“ブランディング”が成功の鍵
アトツギ甲子園において、ブランディングは成功の鍵を握る重要な要素です。ブランディングとは、企業の持つ価値や想いを明確にし、それを顧客や社会に分かりやすく、共感を持って伝える取り組みです。これは、アトツギ甲子園が求める審査基準とも深く結びついています。
例えば、「新規性」や「社会性」を評価する上では、自社の強みや他にはない価値をどう伝えるかが問われます。ここで、しっかりと練られたブランドストーリーがあると、アイデアに説得力が加わり、審査員や観客に深い印象を与えることができます。また、「熱量・ストーリー」の観点では、後継者自身の想いがブランドにどのように反映されているかが重要です。
自身の家業をどう捉え、未来に向けてどんなビジョンを描いているかを明確に示すことで、より多くの共感を得ることができます。
8, 家業のリブランディングがもたらす可能性
アトツギ甲子園におけるリブランディングは、単に会社のロゴやイメージを刷新するだけでなく、企業の本質的な価値を見直し、新たな価値を創造するプロセスです。つまり、伝統を受け継ぎながら、新しい発想で未来を切り拓くこと。それは過去と未来をつなぐ架け橋であり、イノベーションの出発点となります。
リブランディングは、次世代経営者にとって以下のような重要な意味を持ちます。
- 新しい市場の開拓
伝統的なビジネスモデルを刷新し、若い世代やグローバル市場に向けたアプローチを可能にします。 - 家業への誇りの再発見
自分たちの家業が持つ歴史や理念を再評価し、それを未来へ繋げる手段となります。 - 持続可能な成長の実現
リブランディングを通じて、家業を時代に適応させ、長期的な成長を目指します。
9, ブランドストーリー研究所が提供できるサポート
ブランドストーリー研究所が関わることによって、以下のようなメリットが得られます。
⚫︎ アトツギ甲子園へのエントリーを考えているアトツギのために
- アイデアの具現化
家業の経営資源を分析し、新規性や社会性を兼ね備えたビジネスアイデアを一緒に形にします。 - プレゼンテーションの強化
審査基準を意識したピッチ資料作成やプレゼンテーションをサポートします。 - リブランディングの伴走支援
家業の魅力を深掘りし、ブランドストーリーとして再構築。これにより、審査員や観客に響くプレゼン内容を一緒に生み出します。
⚫︎ エントリーが難しいアトツギ後継者へのサポート
参加資格の年齢制限やその他の理由でアトツギ甲子園にエントリーできない場合でも、家業のリブランディングを通じて、新たな価値の創出を全力でサポートします。
10, まとめ アトツギ甲子園に挑む次世代リーダーたちへ
アトツギ甲子園は、家業の未来を創る絶好の機会です。家業の新たな可能性を模索し、地域経済や社会に貢献するための第一歩を踏み出しましょう。私たちブランドストーリー研究所は、その挑戦を全力でサポートします。アトツギの情熱やアイデアを形にし、未来の経営者として輝くための伴走者でありたいと考えています。
コメント