選ばれるためのパーソナルブランディング  〜“人”がブランドになる時代〜

「SNSで発信してるのに、なぜか選ばれない」
「肩書きや実績だけじゃ差がつかない」
「本当はもっと魅力があるはずなのに、うまく伝えられない」

そんなもどかしさを感じている士業、クリエイター、デザイナー、個人事業主の方も多いのではないでしょうか?

いまや、サービスやスキルだけでは選ばれません。
“人”そのものがブランドになる時代
つまり、「誰から買うか」「誰に頼むか」が、ますます重視されるようになっています。

だからこそ、必要なのが パーソナルブランディング。これは、ただの自己PRではありません。
「自分をよく見せる」ことではなく、“自分らしさ”を武器にして、選ばれる存在になるための戦略です。

このブログでは、ビジネスパーソンのための選ばれるパーソナルブランディングをテーマに、自分らしさの見つけ方と、伝え方のヒントをお届けします。

1. パーソナルブランディングの重要性「伝わっていない魅力」は、存在しないのと同じ


「この人、すごくいい仕事をしてるのに、なんで知られてないんだろう?」
そんなふうに感じたこと、ありませんか?

実はそれ、あなた自身にも起きているかもしれません。

仕事には自信がある。
お客様からの満足度も高い。
経験も実績も、人並み以上にある。

でも、なぜか新規の問い合わせが来ない。
SNSを更新しても反応が薄い。紹介も広がっていかない…。
それはきっと、その人(あなた)の魅力が「伝わっていない」からです。

 ⚫︎ 魅力がないのではなく、「伝え方」がズレているだけ

でも、誤解しないでください。

ここで言う「伝わっていない」とは、
「SNSが苦手だからダメ」とか
「発信がうまくないから勝てない」という意味ではありません。

問題なのは、あなたの魅力が“伝わる形”になっていないこと。

つまり、中身がないのではなく、伝え方が少しズレているだけかもしれないのです。

 ⚫︎ 発信しているのに、なぜ届かない?

たとえばこんなケース、ありませんか?

  • 頑張って投稿してるのに反応が薄い
  • プロフィールを整えたのに、自分の魅力が伝わっていない気がする
  • 実績や資格を書いても、なぜか響かない

それは、「伝える努力が足りない」わけでも、「自分に魅力がない」わけでもなく、
“らしさ”や“世界観”が見える形になっていないだけなのです。

 ⚫︎ 「選ばれる人」は、自分の魅力を“伝わる形”にしている

パーソナルブランディングとは、
自身を「よく見せること」でも、「盛ること」でもありません。

それは、あなたの本当の価値や想いを、わかりやすく、魅力的に届けること。

自分は何者なのか、どんな価値を届けられるのか、誰にとって必要な存在なのか、
これら3つを整理し、“伝える力”に変える。
それが、これからの時代に必要なパーソナルブランディングのはじまりです。

2. なぜ今、パーソナルブランディングが必要なのか?


いまや、どんな業種でもライバルは無数にいます。
「選ばれる理由」がなければ、比較対象として埋もれ、価格競争に巻き込まれるだけ。

しかも現代は、単なるモノやサービスではなく、
「誰から買うか」が、選ばれる最大の要因になっています。

AIが一部の専門業務をこなせるようになった今、
ビジネスパーソンにとってのパーソナルブランディングは、
単なる発信術ではなく、“選ばれる力”そのものになってきています。

⚫︎ たとえば、こんなこと感じたことありませんか?

  • SNSで同業者がフォロワーを伸ばしていて焦る
  • 資格や実績はあるのに、問い合わせはゼロ
  • クライアントから「他社と迷ってて…」と言われるたびにモヤモヤする

それは、あなたの価値が相手にとっての「選ぶ理由」になっていないからかもしれません。

⚫︎ パーソナルブランディングができている人はこうなる

  • 無理に売り込まなくても、「この人に頼みたい」と指名される
  • 自分らしい発信が“共感”を呼び、ファンができる
  • 値段ではなく、“その人自身の価値”で選ばれる

この時代、パーソナルブランディングは、あなたらしく、生き抜くための武器なのです。

⚫︎ AI時代、選ばれる“人”になるために

いまや、機能的な部分ではAIが人間の代わりに仕事をこなす時代になってきました。

士業なら、契約書のひな形作成や文章要約、データ整理。
デザイナーなら、ロゴの自動生成やバナーのテンプレート制作。

かつては“専門性”や“経験”で差が出ていたこれらの領域も、いまやAIが正確かつスピーディに対応してしまいます。
つまり、知識や技術だけでは、選ばれる理由になりにくい時代になっているのです。


もちろん「どれだけ正確に仕事ができるか」も大切。
でも、それ以上に選ばれる理由になるのが、
「誰にお願いしたいか」という“人としての信頼や共感”なのです。

つまり、“情緒的価値”(信頼・共感・人柄)が、
「誰に頼むか」を決めるうえで、ますます重要な判断基準
になってきています。

“人”がブランドになる時代において、
パーソナルブランディングの必要性は、ますます高まっているのです。

3. パーソナルブランディングとは何か?


多くの人が「パーソナルブランディング」と聞いて、
SNSでキラキラ発信すること? 自分を盛って“よく見せる”技術? イケてる肩書きや、センスのいい写真を並べること? など、なんとなくこんなイメージを抱きます。
でも、それらは本質ではありません。

⚫︎ パーソナルブランディングの本質とは?

「あなたは何者で、どんな価値を、誰に届ける人なのか?」
それを自分で理解し、相手に伝わる形にしていくプロセスこそ、本当のパーソナルブランディングなのです。

パーソナルブランディングの本質について、私は何者で、どんな価値を、誰に届ける人なのか?

⚫︎ よく見せるのではなく、“らしさ”を磨く

ブランディングという言葉が、どこか「自分を大きく見せる」ことのように誤解されがちですが、パーソナルブランディングはその逆。
無理して盛らなくていい。つくり込まなくていい。“あなたらしさ”の中にある魅力を、ちゃんと見つけて、丁寧に整えていくこと。
これが、ブレずに選ばれる“軸”になります。

パーソナルブランディングの本質について、自分らしさを磨くこと

⚫︎ ブランドとは、他人の頭の中にある「あなた像」

ここで大事なのは、ブランディングは自分の中だけで完結しないということ。

どれだけ素敵な想いを持っていても、
それが相手に伝わっていなければ、“ない”のと同じ。

つまり、パーソナルブランディングとは、
「他者の記憶に残るあなた」を育てること
でもあるのです。

パーソナルブランディングは、自己満足ではありません。
自分らしく仕事をしながら、相手に安心や期待を感じてもらうための、ひとつの印象設計とも言えるでしょう。

  • この人にお願いしたい
  • この人なら自分の話をちゃんと聴いてくれそう
  • この人なら、信頼して任せられそう

そう思ってもらえる“あなたらしさの伝え方”。それが、パーソナルブランディングなのです。

パーソナルブランディングの本質について、他者の記憶に残る私を育てる

4. 実例で見るパーソナルブランディング、失敗と成功の分かれ道


「実績も経験もあるのに、なぜか選ばれない」

そんな声を、私たちは何度も聞いてきました。この章では、よくある“うまくいかない例”を2つ取り上げ、
「どこにすれ違いがあったのか?」
「どうすれば、魅力が伝わる形に変えられるのか?」を一緒に見ていきましょう。

失敗例1:実績はあるのに、誰にも届かないデザイナーAさん

デザイナーA

デザイナー歴15年。
大手企業との取引実績もある女性フリーランス。
仕事ぶりも丁寧で、リピートもあるけれど、新規の問い合わせはほとんど来ない。
SNSは時々投稿しているが、なんか今さら感があるし、何を投稿したらいいかわからない。

● 失敗の原因

  • 自分の強みを言語化できていなかった
  • 自分の世界観・価値観が発信されていなかった(伝わっていなかった)
  • 発信が「作品紹介」だけで、ストーリーや人柄が見えなかった
  • 他のデザイナーとの違いが伝わっていなかった=比較対象にされ、値段で負けた

● 成功に導くには

  • 「自分ならではの視点」「なぜこの仕事をしているか」など、想いや価値観を言葉にして伝える
  • プロフィールや肩書きなどに「誰に、どんな価値を届ける人か」を明確にする
  • SNSでも、作品だけでなく自分の言葉・お客さまとのやりとり・過去の失敗談など“人間味”を出す

失敗例2:肩書きが立派すぎて、むしろ近寄りがたい税理士のBさん

税理士B

税理士事務所を経営する男性。
プロフィールには難解な専門用語が並び、写真もスーツでキメキメ。素晴らしい経歴ですね!と褒められるが・・・。
Webサイトはきれいだが、「先生っぽさ」が全面に出ていて、SNSの投稿もお知らせばかり。
一般人にすると「相談したいが、敷居が高そう…」と感じられてしまう。

● 失敗の原因

  • 発信が一方通行(自分目線すぎた)
  • お客さまが共感できるストーリーがなかった
  • キャラ・人柄が見えず、信頼が築けなかった
  • 本人の人間的な魅力が伝わっていなかった

● 成功に導くには

  • お客さまの「悩み」や「あるある」から書き始める共感型の発信に変える
  • 専門用語を使わず、実体験やエピソードで語る
  • 写真も「頼れるけど話しやすそう」にアップデートする
  • プロとしての自信+親しみやすさや誠実さを発信で表現する「自分ならではの視点」

⚫︎ AさんとBさん、2人に共通していた課題とは?

それは…
「その人の持つ価値や魅力が、相手に伝わる形で表現されていなかった」こと。

どちらも素晴らしい経験や想いを持っているのに、
それをどう“伝えるか”が曖昧だったため、相手に届いていなかったのです。

必要なのは、「自身の見えない価値を発見すること」

Aさんにも、Bさんにも、ちゃんと魅力がありました。
足りなかったのは、それを言語化し、整理し、届けるための“整理と設計”だったのです。

5. パーソナルブランディングは「見えない価値」の発見から始まる


ここまで読み進めて
「自分の魅力を伝えましょう」「強みをアピールしましょう」と言われても、
「自分に強みなんてあるかな…」「特別なことしてきたわけじゃないし」「語れるような実績も肩書きもないし…」と感じる人も多いのではないでしょうか?

でも、それは“魅力がない”からではありません。
それは、あなたの魅力をあなた自身がまだ気づいていないだけ。
もっと言えば──
あなた自身にとって“当たり前すぎる”ことが、他の人から見れば価値そのものということもあるのです。

大切なのは、ビジネスパーソンが“自分らしさ”という価値に気づくこと
それは、本人にとっては当たり前すぎて気づかないけれど、
他の人にはちゃんと価値として伝わるような“あなたらしさ”のことです。

⚫︎ 外から足すより、まず中から見つける

新しいスキルや肩書きを足すよりも先に、
「すでにあるもの」に気づくことが、パーソナルブランディングの第一歩。

伝え方を変える前に、まずは自分の価値をちゃんと見つけてあげること。
それだけで、“伝わる力”は大きく変わります。

ブランドは、作るものではなく、見つけるもの。
それが、ブランドストーリー研究所の考えるパーソナルブランディングの基本です。

6.自分の価値を伝わるカタチにする、パーソナルブランディング3つのステップ


「自分の中にある価値」に気づけたら、次はそれを“外に向けて伝える準備”をしていきます。
パーソナルブランディングは、特別なスキルがなくても、今日から少しずつ始められます。

私たちが提案するのは、シンプルな3ステップ

自分を知る(強み・価値観の棚卸し)

まずは、「私はどんな人なのか?」を、自分自身で見つめ直すことから。
ここでのポイントは、“すごいところ”を探すのではなく、「自分にとって自然なこと」に注目すること。

  • どんなときに喜びを感じるか?
  • 何に違和感を覚えるか?
  • どんな相談をよくされるか?
  • どんな価値観を大事にしているか?
STEP
1

自分だけのポジションを描く(差別化)

棚卸しができたら、次は「誰に、どんな価値を届けたいのか?」を明確にします。
これは、“あなたにしかない立ち位置”=ポジショニングをつくる作業。

  • 自分は何屋さん?でも、ただの〇〇じゃない
  • 「誰のために」「何のために」やっているのか?
  • 自分ならではの視点やこだわりは何か?

「何をやっているか」よりも、「なぜそれをやっているのか」を伝えると、共感が生まれます。

STEP
2

一貫性ある発信を整える(言葉・ビジュアル・ふるまい)

最後は、内面で整理したことを、外に向けて発信・表現していきます。

  • プロフィール文や肩書きの見直し
  • SNSやブログでの発信内容
  • 写真や色・言葉のトーンなどの統一感
  • 人と会ったときに話す自己紹介や伝え方

ここで大切なのは、「自分らしさを“にじませる”こと」。
うまく見せる必要はなく、正直でブレない印象をつくることが信頼につながります。

STEP
3

7. 今日からできる、パーソナルブランディング小さな3つのアクション


「自分の魅力を見つけて、伝わる形に整える」──
そう聞くとちょっと構えてしまうかもしれません。でも、パーソナルブランディングは、完璧に整えてから始めるものではありません。むしろ、小さな一歩を踏み出すことで、だんだんと“自分の軸”が見えてくるものです。

パーソナルブランディングを行うための3つのアクション1:好きなことと得意なことを書き出す

「好き」と「得意」を10個ずつ書き出してみる
まずは、頭の中の棚卸しから。
自分にとって“当たり前”すぎて見逃していた価値が、ここに隠れています。

  • 好きなこと=エネルギーの源
  • 得意なこと=他人から見た魅力

→ 「好きなこと」「得意なこと」に共通するキーワードが、あなたらしさのヒントになります。

パーソナルブランディングを行うための3つのアクション2:私は誰にどんな価値を届けたいかを考える

「私は誰に、どんな価値を届けたいか」を一言で言ってみるこれは言語化のトレーニング、 完璧じゃなくてOK。まずはざっくりでも、自分の軸をつかんでみましょう。

  • 「〇〇な人に、〇〇な体験を届けたい」
  • 「〇〇に悩む人の、不安をやわらげる存在でいたい」

→ 書いたら声に出してみると、“しっくりくるかどうか”がよくわかります。

パーソナルブランディングを行うための3つのアクション3:プロフィールなSNSを自分らしさ視点で見直しする

プロフィールやSNSを“自分らしさ”視点で見直す
今の発信、本当にあなたらしさが出ていますか?

  • 難しい言葉ばかりになっていないか?
  • 他人の言葉を借りすぎていないか?
  • 「人柄」や「想い」はにじんでいるか?

→ どこか一箇所でもいいから、「これが私だ」と思える表現に変えてみましょう。

大きく変える必要はありません。

新しいスキルや肩書きを足すよりも先に、
「すでにあるもの」に気づくことが、パーソナルブランディングの第一歩。

伝え方を変える前に、まずは自分の価値をちゃんと見つけてあげること。
それだけで、“伝わる力”は大きく変わります。

ブランドは、作るものではなく、見つけるもの。
それが、ブランドストーリー研究所の考えるパーソナルブランディングの基本です。

8. パーソナルブランディングを、もっと深く学びたい方へ


〜この秋、少人数制の講座がスタートします〜

ここまで読んで、
「自分にもやってみたい気持ちはあるけど、ひとりでは整理しきれなさそう…」
「もっと深く自分の価値を掘り下げてみたい」
そう感じた方もいるかもしれません。

ブランドストーリー研究所では、
この秋から、パーソナルブランディングの講座が始まります。

パーソナルブランディングについての講義風景
ブランディング講義風景

⚫︎ ブランド・マネージャー認定協会のメソッドがベース

講座は、ブランド・マネージャー認定協会が提唱するパーソナルブランディングの理論をベースに、自己分析、ビジネス分析を行いながら、ビジネスに有効な強い「パーソナルブランド」を作り、浸透させるまでの一連のプロセスを、1日で習得、少人数で進めていきます。

準備が整い次第、詳細をご案内します。
現在、講座開催に向けて準備を進めており、詳細は改めてブログやSNSでご案内します。
ご興味のある方は、ぜひチェックしておいてくださいね。

当社のブランディング研修は、自己流のアプローチではありません。
(一財)ブランドマネージャー認定協会 および (一社)日本ファミリービジネスアドバイザー協会 の考え方と手法をベースにした、体系的かつ実績に裏付けられた方法論を採用しています。

これらの協会が提唱するフレームワークと当社の経験を組み合わせることで、企業の強みを最大限に引き出し、目に見えない価値をカタチにして伝えるブランディングを実現しています。

9. 最後に|“人”がブランドになる時代


情報も選択肢もあふれる今、

ビジネスパーソンにとってパーソナルブランディングは、ますます必要とされています。

モノやサービスではなく、“誰から買うか”で選ばれる時代。
あなたという“人”そのものが、ブランドになる時代なのです。

自分が何者で、誰のために、どんな価値を届けられるのか。
その答えを“伝わる言葉と表現”に変えていきましょう。

それが、仕事につながる、選ばれるためのパーソナルブランディングです。


現在、ブランドストーリー研究所では少人数制のパーソナルブランディング講座を今秋に向けて準備中です。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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本記事の執筆にあたっては、師匠でもある守山菜穂子さんの著書『選ばれる人になる パーソナルブランディングの教科書』も参考にさせていただきました。


多くの人々に共感されるブランドづくりを支援する、当社の4つのサービス領域

事業承継リブランディング

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